信用に値するインプラント治療の
実績を見分けるポイント
「インプラントセンター」を名乗る歯科医院を始め、インプラント手術を実施している歯科医院には、自院の実績をホームページなどで発表しているところも少なくありませんが、その実績が信用に値するかどうかはまた別の話。以下では信用に値する実績とはどのようなものなのかを解説するとともに、実績を見る際に注意するべき文言についても解説します。
最低5年間以上インプラント治療をしており、年間症例10例以上
インプラント手術を成功させるためには外科処置の技術が必要だと書きましたが、外科処置の技術の良し悪しは経験によって大きく変わります。なぜならあくまで人の体を治療する以上、顎や歯といった骨の形や状態、神経の場所や上顎洞と呼ばれる目の下の頬にある空洞の大きさなど、患者様のお口の状態は一人一人違うからです。歯科医はこうした違いにケースバイケースで対応し、インプラント手術を成功させなければなりません。そのためにはインプラント手術の経験を積み、様々なケースとその対処法を知っている必要があります。
実際、インプラント手術はイレギュラーなケースが多い分野です。最もシンプルなインプラント手術は、歯がなくなったところにインプラントを埋め込み、そこに被せ物をして完了します。しかし多くの場合、こうしたシンプルな方法では終わりません。
というのも奥歯がなくなってインプラントを入れようとしている日本人で、上顎に10mm程度のインプラントを埋め込めるという人は、全体の20%程度しかいないというデータがあるのです。つまり前述したようなシンプルな方法でインプラント手術が終わる人というのは、少数派だということです。
するとインプラント手術を安全確実に成功させるためには、例外的な症例に対応できる知識と技術、経験が必要になります。これを自分の目で見て手で触れて身につけていくための最低ラインが「最低5年間以上(できれば10年以上)インプラント治療をしており、年間症例10例以上をこなしている」というわけです。
またシンプルな方法で対応できるケースでも、あまりにも年間症例が少ないと執刀医や助手をする歯科衛生士がインプラント手術の手順を忘れてしまったり、手術本番で起こりうる予想外の事態に対応できなかったりする可能性が高くなります。この意味でも実際に手術を施した数は、信用に値するインプラント治療の実績を積んでいるかどうかの指標として重要だと言えます。
「年間数千本」「生存率100%」「10年保証」に要注意
だからといって、症例数が多ければいいというわけではありません。そのため「年間数千本」を掲げている歯科医院には注意が必要です。また手術後のインプラント手術のインプラントの生存率(正常に機能している割合)も高ければいいというわけではないので、「生存率100%」を謳っている歯科医院は信用に値するとは言えないでしょう。「10年保証」などを謳って安心感をアピールしているケースも同様で、あらかじめ注意が必要です。以下ではその理由を解説しておきましょう。
「年間数千本」は多すぎる
当院の奥田裕司院長は、世間でインプラントが注目される以前の30年以上前からインプラントによる治療を行っています。このうち25年間はコンピュータを使ってインプラントの治療データを管理していますが、その間埋め込んだインプラントの数は千数百本です。
確かに歯科医院を何軒も保有していたり、複数の手術室や十分なスタッフが揃っていたりすれば「年間数千本」も実現可能かもしれません。しかし歯科治療の根本は「今ある歯をいかにして残すか」です。なぜならインプラントなどの人工物をお口の中に入れるよりも、自分の歯で食べたり噛んだりした方が、快適なうえにコストもかからないからです。当院はこのコンセプトにしたがって患者様と向き合ってきたからこそ、歯周病・インプラントセンターの看板を掲げているにも関わらず、千数百本の症例にとどまっているのです。
このように考えると「年間数千本」は多すぎます。すなわち年間数千本」を掲げている歯科医院の多くは、本来抜かなくていい歯や抜くべきではない歯までインプラントにしている可能性があるということです。できるだけ自分の歯を残したいという方は、過剰な症例数を掲げる歯科医院には注意するべきでしょう。
「生存率100%」はあり得ない
当院の25年間千数百本のインプラント手術のうち、術後10年間正常に機能しているインプラントの割合は、96%となっています。残念ながら4%は術後10年間のうちに抜け落ちてしまっています。
しかし外科手術において100%の確率で成功するということは、現実的にあり得ません。テレビや映画、実際の医療現場でも、手術前には失敗の可能性の説明と、失敗をした場合にも病院側に責任を問わないという旨の同意書が交わされます。これは「100%で成功することはあり得ない」という前提があるからです。インプラント手術も麻酔を打ち、歯茎を切り開く外科手術ですから同じで、100%成功するということはあり得ないのです。もちろん失敗の確率を最小限にするために準備に準備を重ねるのは歯科医師としての常識です。しかしそれでも想定外のことは起こり得るわけで、失敗の確率を0%にすることはできません。
したがって「生存率100%」という文言を掲げている歯科医院を見たら、まずは「本当だろうか?」と疑ってみることをおすすめします。それは嘘か、もしくは100%に収まる程度の簡単な手術を失敗が起こらないような回数しかこなしていないかのどちらかの可能性が非常に高いからです。どちらにせよ、この「生存率100%」が信用に値しない実績であることは間違いありません。
「10年保証」は医療として不誠実
「10年保証」などの文言を掲げて宣伝をしている歯科医院は、医療の世界に身を置く者として不誠実だと言えます。なぜならそもそも保証という概念を医療の世界に持ち込むことが間違っているからです。
人体には医療で解明できていない謎がまだ無数に存在します。また患者様には一人一人の個体差があるうえ、人である医者が人である患者様を診断する以上、見落としも少なからず発生します。つまり、医療の世界には「何が起きるかわからない」という前提があるということです。前述したような手術前の説明や同意書が存在するのも、この前提があるからです。
この前提に立ったうえで、インプラントの「10年保証」を考えてみると、これが本来保証できないものを保証しようとしていることがわかります。「何が起きるかわからないけど、多分10年は持つから保証します」と言っているのと同じようなもので、保証と呼べる代物ではないのです。
このように考えるとインプラントの「10年保証」が不誠実な文言であり、不誠実な文言を掲げる歯科医院は信用できない可能性が高いと言えるのです。
所属する学会や所有資格にも着目
信用に値するインプラント治療の実績の有無を確認する方法は、症例数や生存率だけではありません。執刀医が所属している学会や所有している資格も、一つの目安になります。
というのも、歯科医師免許には更新制度がなく、一度取得してしまえば基本的にずっと歯科医師であり続けられます。一方で今の日本の制度では、インプラントメーカーの簡単な講習を受ければ、歯科医師はインプラント手術をしてよいという決まりになっています。したがって歯科医師免許さえ持っていれば、別段勉強や努力をしなくてもインプラント手術を行えてしまうのです。
例えば、何年も運転をしていないペーパードライバーが運転する車の助手席に乗るのは、勇気が必要なはずです。勉強や努力をしていない歯科医師にインプラント手術を依頼するのは、ペーパードライバーに自分の命を預けるのと同じくらい恐ろしくて無謀な行為と言えます。自分の命が惜しければ、きちんと勉強や努力をしている歯科医師にインプラント手術を任せるべきなのです。
きちんと勉強や努力をしている歯科医師かどうかを見極める目安の一つが、所属している学会や所有している資格です。例えば「日本顎咬合学会」の認定医になるためには、実務経験が満4年以上が必要だったり、学会の会員歴が3年以上必要だったり、学会の実施する試験に合格している必要があったりします。そもそも学会員でいるためにも学会への参加はもちろん、学会での研究発表などの実績をクリアしていなければなりません。こうした条件は各学会で変わるものの、基本的には研究の最前線に身を置く者としての勉強や努力が必要不可欠になります。
そのため学会に所属している、学会の認定が必要な資格を持っているということは、信用に値するインプラント治療の実績の有無を判断するにあたっての目安になるのです。
数字の魔力に惑わされない
「年間数千本」「生存率100%」「10年保証」といった数字は、非常に説得力があります。しかし自分の歯を守るために必要なのは、そうした数字の魔力に惑わされず、本当に信用に値するインプラント治療の実績があるのかを見極める目です。
当院では「今ある歯をいかにして残すか」を追求し続けながら、30年以上に渡って千数百本の症例に対応し、96%の生存率を維持しています。また奥田院長は日本歯周病学会には専門医として、日本顎咬合学会には認定医として所属するなど、日々知識と技術のレベルアップに努めています。「どこにインプラント手術を頼んでいいかわからない」と迷っている方は、一度当院にお問い合わせください。きっと満足のいく回答をさせていただけるはずです。

















